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病院訪問日記(平成27年9月28日)
最終更新日:2017年6月5日
平成27年9月28日(月曜日)
災害拠点病院でもある市民病院の災害対策についてDMAT隊員でもある松永救急医療部長に話を伺いました。
災害時に重要なのは他の医療機関との情報共有であり、特に地震など広域災害では全国的な情報共有が不可欠であるとのことでした。市民病院では、インターネットを使って全国の災害拠点病院間の情報が共有できるEMIS(広域災害救急医療情報システム)が利用でき、衛星電話からも接続できるような備えもしてありました。
主に災害発生の初期段階で活躍するDMATは松永部長を中心に6名が市民病院に在籍しています。松永部長は、「DMAT隊員となるための研修は全国でも応募者多数で狭き門であるが、DMATをもう1チーム増やして2チーム編成できるようにしたい」と話され災害対策への意欲を感じました。
設備は整ってきているが、医療スタッフがしっかりと対応できることが最も重要である。そのためにも訓練で体験をすることが大切であり、傷病者の重症度だけでなく緊急度も考慮して治療の優先順位を決める「トリアージ」などの訓練を毎年実施しているとのことでした。訓練に関しては院内で災害対策を検討するチームを設け、週1回集まって訓練の企画や運営を行っており、積極的に取り組んでいると感じました。
海部地方防災訓練で救護活動訓練中のDMAT
松永部長から「災害医療の目的は、一人でも多くの命を救うこと。どれだけ準備をしていても、すべての被災者には対応できないので、命の危険が少ない軽症であれば、救護所での応急処置をお願いしたい。」と話されました。私も同感です。市では災害時に東小学校と神守小学校に救護所を設け、医師会の先生方が応急手当と治療に駆けつけていただきます。私からも市民の皆様にご理解いただくことをお願いいたします。
今回の訪問では、市民病院の災害対策が着実に前進していることが伺えました。今後も、災害時に命を守る拠点としての役割を果たすよう励んでもらいたいと指示いたしました。
※災害拠点病院
災害時における初期救急医療体制の中心となる医療機関で、
・建物が耐震耐火構造であること。
・資器材等の備蓄があること。
・近接地にヘリポートが確保できること。
・被災地域内の傷病者の受入・搬出できる体制があること。
などの要件を満たす必要がある。
※DMAT
災害急性期に活動できる機動性を持った、トレーニングを受けた医療チームで災害派遣医療チームと呼ばれている。
医師、看護師、業務調整員で構成される5名で活動し、被災地域内の病院支援などを行う。